介護記録の書き方
介護記録の書き方~トラブル・事故
利用者同士のいさかいや利用者の転倒など、トラブルや事故にかかわる記録は、万が一の時の証拠となります。落ち着いて、冷静かつ正確な記録を心がけましょう。
■ケース1
【悪い例】AさんがBさんにつかみかかっていたので止めた。
【良い例】AさんがBさんにつかみかかるのを発見。Aさんは、「鼻唄をやめるようBさんに言ったがやめなかった」からとのこと。
→起きたトラブルを書くだけでなく、その原因も可能な範囲で当事者から聞き取り、記録することも大切です。
■ケース2
【悪い例】入浴時、ひげをそろうとしたら、カミソリを払いのけた。
【良い例】入浴時、「ひげをそりますよ」と声かけしてカミソリを構えると、嫌がって右手で払いのける。本人、スタッフ、他の利用者もけがはなし。
→トラブルの結果、本人や周囲にけがをした人がいないかを確認して記録します。
柳本文貴
NPO法人グレースケア機構代表。介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員。老人保健施設等の勤務を経て現職。長時間ケア、娯楽ケアなどの自費サービス、訪問介護、研修事業等に取り組む。
鈴木順子
NPO法人グレースケア機構スタッフ。介護福祉士、介護支援専門員、保育士。訪問介護、有料老人ホーム、認知症グループホーム等での勤務を経て現職。利用者をきめ細かに見つめる目を持つ。
文/宮下公美子 イラスト/尾代ゆうこ