介護記録の書き方
介護記録の書き方~入浴
入浴時には、傷や湿疹、褥瘡(じょくそう)につながる皮膚の赤みなどがないか、全身をチェックします。また、リラックスし、気持ちが緩む入浴時ならではの様子も記録しましょう。
■ケース1
【悪い例】脱衣を促すが、反応なし。介助により脱衣。
【良い例】「シャツを脱ぎましょう」と声をかけたが、脱衣せず。「右手から脱ぎますよ」と声かけしてシャツの袖を持つと、右手を袖から抜く。
→どのような声かけと介助によって脱衣したかを書くことが大切。他のスタッフの介助の参考になります。
■ケース2
【悪い例】入浴の順番だと声をかけたが拒否があり、中止した。
【良い例】入浴の声かけに「眠いから入らない」という。20分後、「目は覚めましたか」と声をかけると「頭が痛い」とのこと。入浴を中止し、頭痛が治まってから清拭を実施。
→入浴を中止した経緯がわかるように書きます。具体的な声かけの内容や代わりの対応の記録も必要です。
柳本文貴
NPO法人グレースケア機構代表。介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員。老人保健施設等の勤務を経て現職。長時間ケア、娯楽ケアなどの自費サービス、訪問介護、研修事業等に取り組む。
鈴木順子
NPO法人グレースケア機構スタッフ。介護福祉士、介護支援専門員、保育士。訪問介護、有料老人ホーム、認知症グループホーム等での勤務を経て現職。利用者をきめ細かに見つめる目を持つ。
文/宮下公美子 イラスト/尾代ゆうこ