介護記録の書き方
介護記録を書く理由って?
記録は提供したケアを確認する材料
業務の中では特に、介護記録の作成を苦手だと感じている方は多いかもしれません。しかし、ケアの質を上げるには、適切に書かれた介護記録は欠かせません。なぜなら、記録はよいケアを他のスタッフと共有できる連絡ツールだからです。
また、記録があれば、家族に日頃の様子を伝えていくこともできます。十分に配慮したケアを提供していたのに事故が起きた時、スタッフを守ってくれるのも介護記録です。記録が、適切なケアを提供していたことを証明する材料になるのです。
そもそも、利用者へのケアは一人ひとりのケアプランに基づいて提供されるもの。利用者の課題に対してどのようなケアを行い、その結果、どのような変化があったのか、あるいはなかったのか。その記録があるからこそ、ケアプラン上の目標を達成できたかどうかを確認することができます。
目標が達成できなかった時、よりよいケアを考えていく材料となるのもやはり介護記録です。また、提供したケアを客観的に確認できる記録は、介護報酬を得るための根拠にもなっているのです。
柳本文貴
NPO法人グレースケア機構代表。介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員。老人保健施設等の勤務を経て現職。長時間ケア、娯楽ケアなどの自費サービス、訪問介護、研修事業等に取り組む。
鈴木順子
NPO法人グレースケア機構スタッフ。介護福祉士、介護支援専門員、保育士。訪問介護、有料老人ホーム、認知症グループホーム等での勤務を経て現職。利用者をきめ細かに見つめる目を持つ。
文/宮下公美子 イラスト/尾代ゆうこ