入浴・着脱レク
バランス改善を促す入浴・着脱のためのレクとは
バランスやストレッチで動作の改善を
入浴や衣服の着脱動作に特に大きな影響を与えるのは、バランスと関節可動域です。体操やレクで動作を向上させるためには、重心移動によってバランスを整え、肩甲骨周辺などを伸ばすストレッチで関節可動域を改善していくことが効果的です。筋力の面では、浴槽をまたぐ動きなどに使用する下肢や、衣服の着脱の動きなどに使用する上肢の筋肉を鍛えます。その時に、より筋肉を働かせやすい姿勢や状態をつくることが大切です。
また、着脱時のボタン掛けや靴下をはくなどの動きは、指先や手首の筋力を使います。体操やゲームレクで、何かを握るのをくり返したり、親指と人さし指でつまんだりする動きを取り入れるとよいでしょう。
入浴は、体を清潔に保つことの他に、全身の機能を高め、爽快感や安らぎを感じることができる行為です。しかし、移動や移乗、着脱など様々な動作があるため、自立に向けた支援を行うには、利用者の心身機能や能力を複合的に判断することが求められます。
さらに、転倒やのぼせなどの危険が伴うので、十分に注意して行いましょう。また、利用者の羞恥心やプライバシーにも配慮が必要です。
監修/尾渡順子
社会福祉法人 興寿会 教育実践研修センター、認知症介護レクリエーション実践研究センター所長代理。介護現場での実践者として日本各地でレク研修を行っている。
監修/熊崎敦子
社会福祉法人 興寿会 老人デイサービス興寿苑介護福祉士。
監修/田中義行
株式会社大起エンゼルヘルプ理学療法士。一般社団法人日本介護技術協会理事。更なる技術や知識向上を目指し、介護技術の開発や介助が困難な事例の対応方法などを研究している。
イラスト/イシカワモトコ フジサワミカ