料理教室のような空間で楽しめるデイ
料理の力が元気と意欲を引き出す【1】
わくわくする空間作り
東京・目黒区の大通り沿いにある、カフェのようなお洒落なスペース。送迎車で三々五々集まってくるのは、主に平均年齢80歳前後の女性たち。
実はここは一昨年夏にオープンした、料理に特化したデイサービスセンター。対象は要介護1以上で「個別機能訓練加算Ⅱ」の要件も満たした、れっきとした通所介護施設なのです。運営に当たるユニマットリタイアメント・コミュニティ開発本部部長の神永美佐子さんは、徹底して高齢者施設らしからぬインテリアにした理由をこう語ります。
「入った瞬間、テーマパークに来たようにウキウキ感じる場にして、気持ちを切り替えてほしいと思いました。明るいキッチンで、普段は使わないような道具を使い、カラフルなエプロンをつけるだけでも気持ちが明るくなります」
大きな楕円のドーナツ型をしたカウンターは、スタッフが内と外の両側から一人ひとりの手元まで見守りやすく、かつ利用者が伝い歩きしやすい形。
「動線は意識して考えました。テーブルで座って作業している人も手を洗うため、必ず何度か中央の通路を抜けて行き来します。ですので、あえて水回りを1カ所に固めることで、自然と体を動かしていただけます」
なないろクッキングスタジオ自由が丘(東京都・目黒区)
文/大山直美 写真/中村年孝