一緒に考えよう!これからの介護
個人に適切な支援を図るための「地域ケア会議」
地域ケア会議で高齢者個人の問題を自治体の課題として浮き彫りに
支援の手が届いていない在宅の高齢者の中には、これまでできていたことができなくなったり、認知症などによって周囲に心配や迷惑をかけたりしているケースが少なくありません。
「地域ケア会議」は、このような高齢者個人の課題を自治体の課題ととらえて、気がかりな高齢者にかかわっている地域の人や、地域包括支援センターの人などが一堂に会し、話し合うものです。これまでのいきさつ、支援していることなど、互いが思うことを話し、今後どうしたらよいかを検討します。
単に個別ケースの支援内容を検討して解決に導くだけではなく、同時に地域で高齢者を支えるネットワークづくりを図ることも、地域ケア会議の目的です。また、個別の事例を積み重ねることで、その地域のニーズや課題を洗い出すのもねらいです。
地域ケア会議は、住み慣れた地域で最期まで自分らしい生活を続けることを支援する「地域包括ケアシステム」のひとつ。地域で高齢者を支えるネットワークの中にいる介護職員と決して無縁ではありません。
監修/梅沢佳裕
一般社団法人 福祉と介護研究所 代表理事。社会福祉士、介護支援専門員。介護専門学校の助教員を経て、特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター相談員を歴任し、デイサービスやグループホームの立ち上げをプロデュースする。介護職・相談員等の研修のほか、医療保健福祉関係者が集う「地域包括ケア推進全国サミット」を今年度から開催予定。
イラスト/市川彰子