介護の現場Q&A
ケアの悩みを相談できる上司や同僚が職場にいません……。
【Q】介護で感じた疑問を共有したり、ケアの悩みを相談できる上司や同僚が職場にいません……。
介護の仕事で悩みや疑問を感じた時、それを相談できる相手がいなくてつらいです。
どのように気持ちを保てばよいのでしょうか?
【A】自分の知識を広げることが第一。意見交換できる場も探して参加してみましょう。
介護の職場において、悩みを抱えただけでなく、それを周囲と分かち合えないことで精神的に追いつめられてしまう人は多いです。特に、目指すべき介護の指針や人材育成のスキルが確立されていない事業所においては、行ったケアへの客観的なアドバイスや指導などが少ないケースが見受けられます。
しかし、そういった状況も自分の行動次第で少しずつ変えていくことはできると思います。まずは、迷いの原因を「自らの専門性の未熟さ」と考え、書籍や専門書にあたることをお勧めします。知識を得ることで、おのずと自分のケアを客観視することができます。
また、業界団体などの講習や研修、地域での勉強会などを探して参加してみてはいかがですか?信頼できると判断したSNSなどで同業者と意見交換する方法もあるかもしれません。
様々な意見や知識を得て、視野が広がることで、相談できる人がいないという環境より、一番に気にかけなければいけないのは、利用者の反応だということに気付くはず。利用者が笑顔なら迷うことはないのです。自信を持ちましょう。
特別養護老人ホーム・レジデンシャル常盤台施設長。看護師、ソーシャルワーカーを経験後、社会福祉士、介護支援専門員の資格を取得。大田区立特別養護老人ホームたまがわ特養第一課課長を経て現職。
取材・文/山辺健史(介護ライター) イラスト/山口まく