一緒に考えよう!これからの介護
PDCAサイクルの中で支援を行う看取り介護
看取り介護は、医師が回復の見込みがないと診断し、入所者およびその家族が看取りを希望しているケースにのみ行われます。具体的には、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)の中で意図的な支援を行います。計画を周期的に改善、入所者の状態をみて臨機応変に対応しながら、医療など多職種と連携をとり看取りの方針を立てます。
こうした仕組みの中で、介護職員が尊重したいのは、入所者がどんな最期を迎えたいのかという「リビングウィル(生前の本人の意思)」、そして入所者の家族の意向です。日常のケアを通して、入所者とその家族の意思を常に確認、日々の体調の変化とともに医療関係者に報告・連絡しながら、その人らしい最期を迎えるための支援を行います。
そのほか、介護職員は家族のメンタルな部分での相談役になったりすることもあるでしょう。難しい役割ですが、家族が納得した上で入所者に最期を迎えてもらうことも、看取り介護では重要なことです。
そのためにも、介護職員をはじめ、ケアチームが一丸となって入所者目線に立ち、人生の締めくくりとなる入所者の終末期が尊厳をもって迎えられるよう、丁寧なケアに取り組んでいくことが大切ではないでしょうか。
監修/梅沢佳裕
一般社団法人 福祉と介護研究所 代表理事。社会福祉士、介護支援専門員。介護専門学校の助教員を経て、特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター相談員を歴任し、デイサービスやグループホームの立ち上げをプロデュースする。介護職・相談員等の研修のほか、医療保健福祉関係者が集う「地域包括ケア推進全国サミット」を今年度から開催予定。
イラスト/市川彰子
一般社団法人 福祉と介護研究所 代表理事。社会福祉士、介護支援専門員。介護専門学校の助教員を経て、特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター相談員を歴任し、デイサービスやグループホームの立ち上げをプロデュースする。介護職・相談員等の研修のほか、医療保健福祉関係者が集う「地域包括ケア推進全国サミット」を今年度から開催予定。
イラスト/市川彰子