“振り返り”でわかる
認知症の人への対応~チームケア【3】不調の原因がわからないケース
ケアの目標を立てチームで取り組んでみましょう。
スタッフが目標を共有して、チームとして不調の原因がわからない人にかかわるようにします。例えば「アクティビティの紅葉見物を楽しみにしていたAさん。当日の朝、自宅に迎えに行くと、沈んだ様子で元気がありません。家族に聞いても、特に具合が悪いということもなく……。」というケースの場合、目標を「気分転換をし、行事を楽しんでもらう」にして、そのためには、まずAさんの落ち込みの原因を探ることが必要です。みんなが傾聴の態度で接し、そのヒントをキャッチした人が、素早く全員に伝達します。チーム全員で原因を理解すれば、Aさんの気分転換のために、何をすべきかが見えてきます。
対応のポイント
入浴や散歩など、利用者がリラックスした状態の時は、気持ちを打ち明けてくれることがあります。担当のスタッフがそれとなく話を引き出し、情報を得ることができたら、ほかのスタッフに伝達します。
監修/六角僚子
独協医科大学看護学部在宅看護学領域教授。看護師、保健師、介護支援専門員でもある。NPO法人認知症ケア研究所代表理事を務め、茨城県水戸市を中心に「デイサービスセンターお多福」などを運営する。
文/高野千春 イラスト/中小路ムツヨ
独協医科大学看護学部在宅看護学領域教授。看護師、保健師、介護支援専門員でもある。NPO法人認知症ケア研究所代表理事を務め、茨城県水戸市を中心に「デイサービスセンターお多福」などを運営する。
文/高野千春 イラスト/中小路ムツヨ