日常生活の質を高める認知症ケア
アクティビティ・ケアの視点でBPSDに対応する
認知症の人に見られる暴言・暴力や帰宅願望といったBPSDの諸症状は、介護に携わる人の精神的、身体的な負担になりやすく、対応に苦慮しがちです。
BPSDへの対応は、まず、「その症状がなぜ起きているのか」を考えることが大切です。例えば、暴力的になっている時は、「どうすれば落ち着くか」と方法を考えるのではなく、「なぜ暴力的になるのか」「どういう状況だと暴力的になるのか」という理由を、利用者本人の疾患や性格、生活歴の情報、あるいは家族からの聞き取りなどから探ることが必要です。アセスメントを通じてBPSDが起きる理由を推測したうえで、アクティビティ・ケアの視点から利用者に向き合うと、BPSDが軽減され、対応がスムーズにできるようになります。
BPSDの症状が現れた時は、利用者にとっての“当たり前の生活”を考え、そこに近づけるためのケアを心がけましょう。
BPSDをアクティビティ・ケアの2つの視点で考えてみよう
視点① 3つの側面から理由を探る
介護者側の要因・利用者側の要因・環境の要因
視点② 「その人が心地よく過ごせる当たり前の生活」
にするにはどうしたらいいか考える
本誌では、BPSDの理由の探り方、対応のポイントをケース別に詳しく解説しています。
監修/松岡佳美
医療法人大橋会 介護老人保健施設みがわ看護師。デイサービスセンターの管理者として、長く認知症ケアに携わりながら、介護支援専門員、認知症ケア上級専門士、アクティビティディレクター、キャラバンメイトの資格を取得。認知症の人へのアプローチの仕方などをテーマに研修講師として幅広く活動。
文/森麻子
イラスト/中村知史
医療法人大橋会 介護老人保健施設みがわ看護師。デイサービスセンターの管理者として、長く認知症ケアに携わりながら、介護支援専門員、認知症ケア上級専門士、アクティビティディレクター、キャラバンメイトの資格を取得。認知症の人へのアプローチの仕方などをテーマに研修講師として幅広く活動。
文/森麻子
イラスト/中村知史