利用者も介護者も楽になる排泄ケア
利用者・介護者双方にとって気持のよい排泄ケアとは
排尿や排便といった「排泄」は、人としての尊厳にかかわる非常にデリケートな行為です。要介護の高齢者はそのデリケートな行為に介助が必要な人が多く、ケアがうまくいかないと自尊心が傷つき、さまざまな意欲を失っていきます。意欲がなくなると、QOL(生活の質)が下がり、要介護度が進むこともあります。そして、排泄をケアする介護者にとっても、頻繁なケアに加え、臭いや衛生的な問題も相まって、心身両面に大きな負担となります。利用者・介護者双方がストレスを抱えると関係性の崩壊につながり、虐待の芽となる可能性もあります。
また、排泄には、食生活、歩行、衣服の着脱など、日常生活の基本的な要素が含まれているため、生活全体の問題が凝縮されているともいえます。
それほどまでに排泄ケアは重要でありながら、介護現場では間違った知識や対応が多くみられるのが実情です。利用者の尊厳を守り、介護者にも負担の少ない、双方に気持ちのよい排泄ケアを行うには、正しい知識を持つことが必要です。次から紹介するポイントに沿って見直し、正しい知識を身につけましょう。
本誌では、排泄ケアの正しい知識や、排泄トラブルの対応のポイントなど、詳しく解説しています。
監修/西村かおる
東京都内の病院で訪問看護師として勤務後、イギリスに留学し、地域看護とコンチネンスケア(排泄障害の予防・治療・ケアの総称)を学ぶ。帰国後、コンチネンスセンターを開設し、1993年に日本コンチネンス協会を設立。現在、日本コンチネンス協会名誉会長、コンチネンスジャパン株式会社専務取締役、日本老年泌尿器科学会副理事長。『新・排泄ケアワークブック』(中央法規出版)など著書多数。
文/松崎千佐登
イラスト/尾代ゆうこ
東京都内の病院で訪問看護師として勤務後、イギリスに留学し、地域看護とコンチネンスケア(排泄障害の予防・治療・ケアの総称)を学ぶ。帰国後、コンチネンスセンターを開設し、1993年に日本コンチネンス協会を設立。現在、日本コンチネンス協会名誉会長、コンチネンスジャパン株式会社専務取締役、日本老年泌尿器科学会副理事長。『新・排泄ケアワークブック』(中央法規出版)など著書多数。
文/松崎千佐登
イラスト/尾代ゆうこ