認知症の人が楽しいと思えるゲーム環境とは?
1対1の信頼関係が大事
認知症を有する人に提供するレクリエーションで一番大事なことは、信頼関係を築くこと。会話が生まれ、人との絆が深まるレクリエーションは、認知症の人に「なじみの場所、時間、人間関係」を提供して信頼関係づくりのきっかけとなります。まずは個別に信頼関係を築いていきましょう。ここでは軽度の認知症の人を想定していますが、重度でも、介護者が言葉を引き出したり、ゲームに出てきた関連話題を楽しんだりすることはできます。
■認知症の人が楽しいと思える8つのゲーム環境
1.単純であまり展開がないこと
難しいと感じると最初から拒否する人が多いので、ルールの理解しやすいゲームを行います。
2.好きな人がいること
介護者や利用者の中に信頼している人がいることが大事です。
3.役割があること
役割をお願いすることで、やる気を引き出します。
4.誰かに認められること
介護者や周りの利用者に認められることで自尊心を高めます。
5.自分のあるいは他人の役に立っていること
役に立っているという気持ちが自己実現につながります。
6.達成感があること
自信につながりモチベーションを維持することにつながります。
7.能力差を暴かれないこと
偶然性を利用したゲームで常に勝つ人、負ける人をつくらないようにします。
8.恥をかかされないこと、子ども扱いされないこと
利用者の自尊心を傷つけないレベルのゲームを設定します。
社会福祉法人 興寿会 教育実践研修センター、認知症介護レクリエーション実践研究センター所長代理。介護現場での実践者として日本各地でレク研修を行っている。
イラスト/福井典子