不適切ケアを見直そう
「不適切ケア」の事例~制作レクでの“思いのズレ”
利用者や家族が不快に思うケアは「不適切ケア」と呼ばれ、これを放置すれば虐待につながる危険があります。介護者と利用者の“思いのズレ”で生じる「不適切ケア」の事例を紹介します。
事例「制作レクで完成度を高めるため、作るのを手伝った」
利用者の思い「好きなように作りたいのに・・・・・・」
家族の希望「手芸や絵を描くことが得意なので、本人の好きなようにさせてほしい」
介護者の思い「きれいに仕上げたほうが、本人も家族も喜んでくれるはず・・・・・・」
ここが思いのズレに!
介護者は利用者や家族に喜んでもらおうとして手伝いましたが、利用者から求めがないのに支援することは、意欲の低下につながる恐れがあります。また、「そうじゃない」という否定的な言葉は、本人の自尊心を傷つけてしまいました。
本誌では、“思いのズレ”をなくすための対応や考え方についてご紹介しています。
監修/山田祐子
日本大学文理学部社会福祉学科教授。日本高齢者虐待防止学会理事・事務局長。かながわ高齢者あんしん介護推進会議高齢者虐待防止部会委員長。1997年に日本で初めて施設における高齢者虐待の調査を実施。以降、実践的な研究を続け、多くのマニュアルの作成、研修に携わる。著書に『家族介護と高齢者虐待』(一橋出版)など。
文/森 麻子 イラスト/ホンマ ヨウヘイ
日本大学文理学部社会福祉学科教授。日本高齢者虐待防止学会理事・事務局長。かながわ高齢者あんしん介護推進会議高齢者虐待防止部会委員長。1997年に日本で初めて施設における高齢者虐待の調査を実施。以降、実践的な研究を続け、多くのマニュアルの作成、研修に携わる。著書に『家族介護と高齢者虐待』(一橋出版)など。
文/森 麻子 イラスト/ホンマ ヨウヘイ