認知症ケア「心理段階に合わせた家族のサポート」【2】
昨今、認知症ケアでは早期対応の必要性が叫ばれています。これは家族支援でも、同じことがいえます。サポートの重要なタイミングとして、認知症を疑い戸惑っている時、認知症の診断にショックを受けている時が挙げられます。このタイミングでいち早く家族支援を行うと、利用者本人へのケアも円滑に進められるようになります。
そのため、利用者に認知症が疑われたら、家族に受診を促し、早期から本人・家族にかかわることが大切。その際、専門医に限らず、かかりつけ医の診察でもかまわないことを伝えたり、ケアマネに同行を依頼したりするなど受診しやすいよう、いくつかの選択肢や方法を提示するといいでしょう。
同時に家族の訴えや話にはよく耳を傾け、否定せず、気持ちに寄り添った言葉がけをすることが大切です。毎日の介護に対するねぎらいの言葉は、家族の気持ちを理解するためのきっかけにもなります。
※六角僚子
東京工科大学医療保健学部看護学科教授。看護師、保健師、介護支援専門員でもある。NPO法人認知症ケア研究所代表理事を務め、茨城県水戸市を中心に「デイサービスセンターお多福」などを運営する。