認知症ケア「心理段階に合わせた家族のサポート」【1】
家族の心理段階によってケアの仕方は異なる
介護の中心となる家族を支えることは、利用者に対するケアを円滑に進めるためにも重要です。利用者が安心して日々を過ごせるよう、そして家族が元気に前向きに介護に取り組めるよう、サポートを行いましょう。
自分の親や配偶者が認知症を発症すれそれは大変なショックです。動揺するのは当然で、事実をすんなりと受け入れることは難しいもの。
一般的に、認知症の人の家族が、それを受け入れるまでには、5つの段階を踏むと言われています。「とまどい・否定」の第1段階、「否定からの脱却」の第2段階、「治癒・軽快への期待」の第3段階、「あきらめ・放棄」の第4段階、そして「新たなケアへの試み(受容)」の第5段階といった5つです。
家族支援を行う際には、受け入れに時間がかかること、段階を経て受容へと移行していくことを踏まえた上で家族をよく観察し、話やその内容から、どの段階であるかを見極め、段階に合ったサポートを行います。
※六角僚子
東京工科大学医療保健学部看護学科教授。看護師、保健師、介護支援専門員でもある。NPO法人認知症ケア研究所代表理事を務め、茨城県水戸市を中心に「デイサービスセンターお多福」などを運営する。
■関連記事
利用者の気持ちを考えた認知症ケア~記事一覧