火も包丁も使って1日2回の料理レクを行うデイ【1】
料理で回復した自信が次の活動への意欲に
料理レクを取り入れているデイサービスは少なくありませんが、ここ「うららかデイサービス・里に吹く風」では、ほぼ毎日2回の料理レクを行い、昼食とおやつ作りを組み込んでいます。それを行う意義や安全に行うための工夫を取材しました。
認知症の程度と作業レベルは一致しない
本人の様子を見て役割分担
デイサービス「里に吹く風」の朝は、利用者がお茶を焙(ほう)じる香ばしい匂いで始まります。「朝は“香りの時間”を楽しみます。1日がいい香りで始まると気分がいいですから」と管理者の宮田知子さん。“香りの時間”が終わると、午前中の料理レクの開始です。この日のメニューは、人気の細巻き寿司と手打ちそば。利用者8人が2班に分かれて作り始めました。
「個々のできる範囲で役割分担を決めます。料理は馴染みがあるせいか、目が見えづらくても手探りで、耳が聞こえづらくても周りを見てできる。要介護度とできる作業は一致しないので一人ひとりの様子を見ながら決めています」と宮田さん。
細巻き寿司班のテーブルには、酢飯と巻きす、具になるかんぴょうの甘辛煮が置かれました。利用者同士で楽しく会話をしたり、ときには集中したりしながら次々に巻いていき、最後は包丁で切って完成。
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文/松崎千佐登 写真/小澤達也(Studio Mug)