栃木県や群馬県など５県で、デイサービスや有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅を展開している株式会社ワールドステイ。「地域のニーズに応える形で施設を増やしてきました」という代表取締役社長・岡田隆さんに、企業理念から施設のあり方、デイでのレクリエーションまで、お話を伺いました。

誰でも安心して暮らせる低料金の入居施設を展開
――高齢者の入居施設の運営を始めた経緯を教えてください。

当社の始まりは1980年に設立した社会福祉法人 豊岡福祉会です。社福として、栃木県足利市でケアハウスや保育園などを運営していました。

ところが高齢化が進むなか、ケアハウスに入居できない方が増えてきました。足利は農家が多く、農家の方は国民年金の受給者がほとんど。自宅での生活が難しくなっても公的な特別養護老人ホームやケアハウスは待機者が多くてなかなか入れない。「老後資金が少なくても入れるホームがほしい」という地域のニーズを受け、誰でも安心して暮らせる低料金の民間施設が必要と考えました。

そこで1996年、多様なニーズに対応すべく、株式会社ワールドステイを設立。家賃や食事代を含め月10万円前後で入居できる住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅を展開しています。それは「地域に根ざし、社会から求められる企業」という企業理念や「全ての人が安心して生活ができる環境を創る」という当社の使命につながっています。

――現在、栃木・群馬・新潟・石川・広島の５県に12か所の有料老人ホーム、19か所のサ高住を展開しています。どうやって事業を拡大したのですか？

ある建築会社さんから「高齢社会に対応する建物を作りたい。施設運営者の話が聞きたい」と言われ、お話をさせていただきました。それを機に各地の建築会社から施設について相談を受けるようになり、建築会社の紹介で土地所有者さんとの交流も広がりました。そして地主さんの土地に建築会社が建てた施設を一括借り上げして運営する形で施設を増やしてきました。建設代などが不要のため、入居費用を抑えられています。

――デイサービスは32か所に。デイも増やした理由は？

地域のニーズとして、デイの要望も多いのです。実際、家に閉じこもる生活はよくありません。機能訓練はもちろん、地域に人と交流できる場が必要です。そこでホームやサ高住にデイを併設する形で増やしました。地域の方も入居者様も一緒にワイワイと楽しみ、「あそこに住んでいるの？私は隣町よ」など地元の話題で話が弾んでいます。デイに参加しなくても「人の話し声が聞こえてくるだけで癒やされる」という入居者様もいます。