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オルゴールを使った新たな配薬支援装置とは?
音色と光で確実な服薬をサポート
利用者への配薬は、一歩間違えれば誤薬事故につながりかねず、慎重さが求められる業務です。それだけに時間を要し、職員にとっては負担が重くなりがちです。
そこで誕生したのが、新たな配薬支援装置「HSS-10」です。東北大学大学院医学系研究科(鈴木亮二助教)と株式会社石神製作所(岩手県花巻市)が共同開発しました。介護施設向けの製品で、見た目は小さなロッカーのよう。中には10人分の薬が収納できます。
装置内のドラムへ利用者ごとに一包化した薬を収納し、名前や服薬時間を設定しておきます。時間になるとオルゴールが鳴り、操作パネル上で服薬対象者のボタンが橙色に点灯します。装置の扉を開けると、ドラムから該当する薬剤が送り出されてくるという仕組みです。
服薬後にボタンを押すと緑色に変わるので、職員間での情報共有にも役立ちます。もし服薬時間から30分たっても薬が取り出されない場合は、再びオルゴールが鳴ってボタンが赤色に変わることで、配薬忘れを予防してくれます。
「 HSS-10」を使用したグループホームでは、配薬時間が1日平均約3.5分短縮され、配薬忘れや配薬時間の間違いも減少しました。同製品は、2018年12月から販売を開始しています。
文/田中 元