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入浴剤の色や香りがデイ利用者に及ぼす影響とは?
色や香りといった要素が、人間の感情や行動にさまざまな影響を与えることを知っていますか?
入浴剤メーカーの株式会社バスクリンが熊本保健科学大学と共同研究を行い、2018年5月の日本温泉気候物理医学会総会・学術集会で発表した「入浴剤の色と香りがデイサービス利用者の気分・感情に及ぼす影響」についての調査では、おもしろい結果が出ています。
本調査は、デイサービスの利用者12名(男性3名、女性9名)に、湯温41~42℃で入浴してもらい実施したもの。入浴条件は、[1]無機塩含有炭酸ガス系入浴剤(色と香りあり)を入れた湯、[2]色と香りを取り除いた成分のみの入浴剤を入れた湯、[3]色と香りだけの入浴剤を入れた湯、[4]さら湯、の4種類です。
入浴の影響を調べるため、認知症ケアマッピングによる行動観察、POMS(気分や感情の状態)やバイタルサインの測定などを行ったところ、[1]と[3]で認知症の状態改善を示すWIB値が増加傾向に。さらに、POMSにおける混乱-当惑状態の指数が低下したことがわかりました。
入浴剤の色と香りに着目することで、認知症の人の状態を改善したり、高齢者の気分や感情を調整したりできる可能性が見出せたわけです。同社では、今後さらなる検証を進めていくとしています。
文/田中 元