伝え方の工夫でうまくいく
視覚障害がある人がレクを楽しむ4つのポイント
「ライトハウス朱雀」が実践している、レクを楽しむための4つのポイントを参考に、見えない人がどうすれば参加できるかを考えてみましょう。
1 具体的な言葉で説明する
説明をする時は、これ、あれ、その、あちら、そちらなどの指示語は控え、具体的な言い方にします。例えば、位置や距離を説明する際は、「みなさんから向かって右、約1m先です」など、的確な言葉で伝えます。
2 声をかける際は近づく
何人も利用者がいるなかでは、自分が話しかけられたかどうかがわかりません。利用者に声をかける際は、近づいて相手の名前を呼びかけ、誰が声をかけたかわかるように自分の名前を名乗ります。また、離れる際も、「いったん離れますね」などと伝え、不安感を与えないようにします。
3 視覚以外の感覚で伝える
聴覚や触覚、嗅覚などの感覚を利用して、状況を伝えることもできます。動くものに鈴をつけるなど音を使うことで、スピード感や遠近感がわかりやすくなります。工作の際には、ザラザラやツルツルなど、触って違いのわかる素材を選ぶとよいでしょう。調理の時には、コーヒーやソースなど、香りの強い材料を選んで嗅覚に働きかけてもいいですね。
4 「見えない」を体験する
あらかじめ、介護者自身が視覚障害の疑似体験をしてみるとよいでしょう。全盲を体験するために目を閉じたり、アイマスクをしたりしてみます。クリアファイル(白濁したもの)越しに見て作業することで弱視の体験を、筒をのぞき視野を狭くして作業することで視野狭窄の体験をしてみます。
『レクリエ2018 11・12月』では視覚障害がある人と一緒に楽しめるレクの詳細を具体的に紹介しています。
イラスト/福井典子