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新しい認知症ケア法「ユマニチュード」
■認知症の周辺症状に効果あり!
今、介護の世界で注目されているケアの技法に「ユマニチュード」があります。これは、知覚・感情・言語に基づいたフランス生まれの技法で、下記の表に示す4つのケアの基本動作を同時に、継続的に実施することで、ケアの受け入れが困難な「周辺症状がある認知症患者への効果」が報告されています。
例えば、ユマニチュードを利用すると、おむつを交換する際、拒否的な行動をとっていた患者が、穏やかにケアを受け入れるようになります。これはユマニチュードの技法により「あなたを大切に思っている」というメッセージを届けることができるからです。
これまでも「おむつ交換しませんか?」などと声をかけてから始めていた、という人も多いかもしれません。しかし、一方的に相手に宣言するだけでは、本人は突然攻撃されたように感じて、自己防御のために抵抗することが多かったのです。
この画期的なケア法、ユマニチュードを日本に紹介したのは、国立病院機構東京医療センター総合内科医長、本田美和子(ほんだみわこ)氏です。2014年にはユマニチュードの日本での研修及び研究の拠点として「ジネスト・マレスコッティ研究所日本支部」を開設。すでに研修を受けた医療介護関係者は、東京医療センターをはじめ9施設以上。認知症をもつ人のケアの質を高めるために、ユマニチュードを広めていこうと、取り組んでいます。
【ユマニチュード 基本のケア法】
1.見つめる
正面から約20㎝まで近付き、相手と同じ高さで視線を合わせる。
2.話しかける
視線を合わせてから2秒以内に「よいお天気ですね」などの前向きの言葉を、優しく穏やかに言う。
3.触れる
背中や手などをゆっくりとなでる。2・3を約40秒続けてから「おむつ交換してもいいですか?」などといって、ケアの了解を取る。
4.立つ
ユマニチュードでは「立つ」ことも重要視。寝た状態で左右の脚の動きを見て、立てそうであれば立たせる。