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デイ探訪

音楽療法に特化した音楽デイ

生演奏にこだわり合唱に取り組む音楽デイ【3】

生演奏にこだわり合唱に取り組む音楽デイ【3】

春の発表会に向けてリハーサル中
真剣な表情で発声・発音に取り組む利用者。視線の先にあるのは発表会です。夏祭りやお月見など、ブラボーではさまざまなイベントが行われています。「最大のイベントは春の発表会・スプリングコンサートと、『第九』を歌うクリスマスコンサートです。ご家族やケアマネ、地域の方が観にきてくれます」と渡邉さん。

人前で歌う発表会が利用者のやる気にもつながっているようです。「『体がしんどいからデイはやめよう』ではなく、『ちょっとしんどいけれど、発表会に向けて頑張ろう』と、デイに来てくれます」(永野さん)

そして、本日の最後のメニューは翌週に控えたスプリングコンサートのリハーサル。本番と同じく、立てる人は立って行いました。曲目は『森の水車』『さくら』など春の唄メドレー、復興ソング『花は咲く』、嵐の『ふるさと』、『上を向いて歩こう』など5曲。嵐の『ふるさと』とは、驚きの選曲です。

「『高齢者には難しい』というスタッフもいました。でも音楽療法の目的は眠っている才能を引き出すことであり、新曲を『覚えた、歌えた』という喜びと自信につながります。みなさん、発表会に向けて『ふるさと』は3か月、馴染みのある曲は2か月かけて練習しました」(永野さん)

 

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練習の成果はリハーサルでも発揮されました。伸びやかで力強く、全員が一体となった合唱は胸が熱くなるほど。同時に、永野さんが利用者に伝えた「私たちの歌は人を励まします」の言葉が蘇りました。この歌声は発表会を観にきた人たちの心に響くことでしょう。歌に励まされ、前を向く力をもらうでしょう。

一方、歌い切った利用者の笑顔には喜びと達成感があふれていました。実際、「歌うって気持ちいい。楽しい」とみなさん。「思いっきり歌うとスッキリしてニコニコ帰れる」「学生時代の合唱を思い出す」という声も。「ピアノに引っ張られて歌えるの」という人もいれば、「みんなで歌うから声が揃うのよ」と教えてくれた人もいます。

また、家族からも「デイを楽しみにしている」「気持ちが前向きになり、お風呂にも自分から入るように」と好評。音楽デイで利用者の生活も変わっているようです。

株式会社ジオックス 音楽デイサービス Bravo!(神奈川県相模原市) 文/佐藤ゆかり 写真/中村年孝

この記事が掲載されている号

レクリエ 2018 7・8月号

レクリエ 2018 7・8月号

41ページに掲載

おもなレク
  • 7・8月の壁画 海の中の魚たち
  • 天の川の吊るし飾り
  • 自立支援のための下肢を強くするレク
  • ハンガーを使って作業療法的トレーニング
  • 今日は何の日?~7月【文月(ふみづき)】
  • 介護保険改正で現場はどうなる?

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