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日本の伝統文化で本格志向のレクを【1】

日本の伝統文化で本格志向のレクを【1】

全国に展開するデイサービスで“伝統文化レク”を行っているヒューマンライフケア株式会社。利用者の様子、そしてレクがもたらした成果とは?「ヒューマンライフケア風鈴の湯」に伺いました。

日本の伝統行事をモチーフにクオリティも重視した創作レクを開始
ある秋の日の午後、東京都江戸川区にある「ヒューマンライフケア風鈴の湯」では、秋祭りをテーマにした“一合枡お神輿”の創作レクが始まりました。

24名の利用者の前には、それぞれお神輿の創作キットと接着剤やハサミなど制作道具が置かれています。ホワイトボードに記された作業工程は8つ。「まず担ぎ棒を作りましょう」「朱色の紙でお神輿の台を」とスタッフの進行でお神輿の担ぎ棒、台、屋根を作っていきます。作業開始から約1時間半、本格的なお神輿が完成しました。利用者のみなさんも「豪華だよね」と大満足の様子です。

「ヒューマンライフケア風鈴の湯」を始めとして、ヒューマンライフケア株式会社が全国に展開する89か所のデイサービスで、日本の伝統文化をモチーフにした本格志向の“伝統文化創作レク”を始めたのは2017年1月のこと。「きっかけは『日本の伝統行事』という本です」と、レクリエーションを企画している事業戦略室の松坂哲史さんは振り返ります。2016年7月に出版された『日本の伝統行事』(村上龍:著)は、正月・雛祭り・七夕など伝統行事を美しいイラストとともに紹介した本です。

「牛乳パックなどを使って何かを作るのもいい。でも、デイでの創作物は『子どもっぽい』となってしまいがちです。利用者様の満足と達成感が高まるようなクオリティも重視したレクを提案したい。そう考えていたとき、本書に出会いました。伝統行事は誰にとっても馴染みがあるもの。それをモチーフにすることによって行事に関する利用者様の思い出の想起や知的好奇心の喚起につながるのではないか。本格志向の作品であれば利用者様もご家族も喜んでくれるのではないか。そう思い、本を参考に伝統文化レクの開発に着手しました」

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開発の第一歩は「正月は羽子板」「秋は祭りをテーマにお神輿」というように、季節の行事に合わせて創作物を企画すること。そして専門校やカルチャースクールなどを展開するグループ会社・ヒューマンアカデミーの講師などに依頼し、その見本と工程を提案してもらうそうです。

「作業工程が難しすぎると利用者様の手に余ってしまいます。易しすぎるものは創作の楽しみが半減するし、完成の達成感が得られません。一定のクオリティを保ちながら創りやすい工程にすべく、デザインの制作者と話し合って工夫を重ねています」また、素材にもこだわっています。

「例えば一合枡お神輿の枡はプラスチックでも代用できますが木の枡は香りも手触りも違います。良い素材を使うことによってクオリティも創作の楽しみも高まる。そこで紙や木の問屋をめぐり、素材を決めています。そして全国のデイサービスの分の数千個を本社で一括仕入れすることで素材や創作キット制作の会社と価格を交渉。利用者様への追加負担がないように創作キットの費用を抑えています」

ヒューマンライフケア株式会社 ヒューマンライフケア風鈴の湯(東京都江戸川区) 文/佐藤ゆかり 写真/中村年孝

この記事が掲載されている号

レクリエ 2018 1・2月号

レクリエ 2018 1・2月号

38ページに掲載

おもなレク
  • 1月の壁画 福を呼ぶ招き猫
  • おりがみの鬼で「節分飾り」
  • 買い物のためのゲーム&レク
  • ホットプレートでチョコレートフォンデュ
  • ヒヤリ・ハット&事故報告書
  • 認知症ケア~人間関係の改善編

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