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富士通が「見守りソリューション」介護現場へ導入
2017年10月、電子機器メーカー大手の富士通株式会社が、北海道釧路市のグループリビング「ほがら館」(運営・NPO法人わたぼうしの家)に新しい見守りサービス(居住者の見守りソリューション)を導入しました。
これは、富士通が開発した専用装置を居室内に設置して実施されます。装置の名は「リモートケアベース」といい、音響センサーおよび温湿度・人感センサーが搭載されています。この装置で、居室内で発生する生活音を独自のアルゴリズム(計算手法)で解析し、居住者の状況を把握する仕組みです。
メリットの一つとして、会話の録音やカメラ撮影を伴わないため、プライバシーに配慮しながら高齢者の見守りができる点があげられます。こうした音響センサーなどによる、プライバシーに配慮した見守りサービスの本格導入は、介護業界では初となります。
異常を感知した際などは、富士通グループのコールセンターが24時間365日対応します。同センターには、看護師資格を持った専門スタッフが常駐し、室内で収集された咳やいびきなどのデータを参照しながら、居住者の睡眠・健康状況にもとづいた相談対応も可能となっています。
もともと「ほがら館」では、有償ボランティアによって24時間365日の見守りサービスが提供されてきました。しかし、対応する職員確保の難しさや、夜間の緊急呼び出しなどによる多大な業務負荷が課題となっていました。
今回のソリューションが導入されたことにより、3年前と比べて夜間の運営コストを約80%削減することにつながりました。また、職員の業務負担が軽減され、結果的に入居者に対するサービスの質の向上が図れることも期待されています。