ヒヤリ・ハット&事故報告書
ヒヤリ・ハット報告書を書く4つの理由【2】
ヒヤリ・ハット事例や事故の報告書を書くことには、重要な意味があります。利用者、介護者、事業所のために必要であることを、ここでしっかりと確認しておきましょう。
ケアの質を上げるため
事例・事故の内容を、職員全員で共有するのはとても意味のあることです。どうして起こったのか、どうすればよかったのか、そのためには何が必要かを考え話し合うことは、職員自身の介護の見直しにもつながり、今後のケアの質を向上させます。
グループワークをしよう!
1つの事例を取り上げ、グループごとに話し合う「グループワーク」が効果的です。この場合、報告書での事例をそのままテーマにするのではなく、あくまでも「起こりがちな事例」として発生日時や利用者の情報は架空のものに。一般化し、提出者を特定しにくくすることで、職員が報告書の提出を躊躇することのないようにします。
グループワークには、ケアを行う職員だけでなく、施設の運営に携わる全職員が参加すると、視点の異なる意見の中から気づくこともあります。
監修/高橋好美
特別養護老人ホーム レジデンシャル常盤台施設長。看護職、メディカルソーシャルワーカーを経験した後、社会福祉士、介護支援専門員の資格を取得。大田区立特別養護老人ホームたまがわ特養第一課課長を経て、2009年より現職。
文/高野千春 イラスト/岡村奈穂美