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SOMPOケアの「介護度改善応援保険」
日本の高齢者の介護ニーズの高まりとともに、民間の介護費用保険にもさまざまなものが見られるようになりました。なかでも注目なのが、今秋に発売された「介護度改善応援保険」です。
これは保険会社大手のSOMPOホールディングス(以下、HD)と、アイアル少額短期保険の共同研究に基づいたもの。公的介護保険の要介護・要支援認定を受けている人が対象となり、1年間の保険期間中に要介護・要支援の区分が改善すると「介護改善保険金」が支払われます。これにより、要介護度改善に向けた本人の自助努力を促すわけです。
保険料は年間5千円、1万円、2万円の3パターン。保険金は保険料の5倍です。既存の保険でも、一定期間状態が悪化しない場合に一時金が支払われるケースはありますが、要介護度などの改善を給付要件とした保険は珍しいと言えるでしょう。
介護保険サービスのほとんどは、要介護区分が上がれば自己負担も増える仕組み。さらに制度改正で2割・3割負担が導入されるとあって、利用者にとっても介護度の改善は切実な課題です。ちなみに、平成27年度の「介護給付費等実態調査」(厚生労働省)によれば、要支援1〜要介護5の認定を受けた約380万人のうち、区分が改善した人は1割程度にとどまっています。この保険は、そうした現状を変え、利用者の頑張りを支える大きな力となるかもしれません。
今秋の発売は、まずSOMPOケアネクストなどHD傘下の企業が運営する施設の入居者・利用者が対象。その後、グループ外の施設入居者にも販売を広げていく方針です。