「バリデーション」を生かそう!
「バリデーション」の基本的な態度
傾聴する
五感を使って「言葉の奥にある感情」に耳を傾けます。例えば「部屋に誰かいる」と言ったら、「その人はどんな人ですか?」「部屋のどこにいますか」とたずね、私たちには見えない認知症の人の世界を教えてもらいます。
共感する
認知症の人の表情、姿勢など感情が表れている身体部分を観察し、自分も同じ表情・姿勢をします。表面的に話を合わせるのは、相手にも自分にも嘘をついていることになります。
嘘をつかない・ごまかさない
認知症の人は、ごまかされたり、嘘をつかれたりすることを敏感に感じとっています。「家に帰りたい」という人に「娘さんが迎えに来るまでお茶でも飲みましょう」(実際には来ない)とごまかしていては信頼関係を築くことはできません。
受容する
認知症の人の言動を否定せず、アイコンタクトやカリブレーション、ミラーリング、リフレージングなどにより、「あなたのあるがままを認めますよ」と受容します。
誘導しない(ペースを合わせる)
ダンスで呼吸を合わせて踊るように、認知症の人の行動ペースに合わせるのはもちろん、姿勢、歩き方、表情や呼吸まで同じにします。決して誘導はしません。
監修/都村尚子(つむら なおこ)
関西福祉科学大学社会福祉学部教授。「公認日本バリデーション協会」のバリデーション・ティーチャーとして講習を行うなど、介護現場でのバリデーションの普及に力を入れている。
著書に『バリデーションへの誘い』(全国コミュニティライフサポートセンター)がある。
イラスト/かまたいくよ