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「バーチャル旅行体験」と認知症予防への効果
「バーチャル旅行体験」というサービスをご存じでしょうか。
これは、合同会社toraruが手がけるGENCHIというサービスで、担当者が顧客の指定する場所に出向き、現地からネットを介した中継を行うもの。
顧客は現地まで行かずともネットを通して、担当者から送られる現地の風景を見ることができます。さらには、中継中に「あのあたりを映してほしい」といった要望を担当者にリアルタイムで出すこともでき、遠隔操作によって、望む風景をながめることが可能となっています。つまり、家から出なくても、まさに架空(バーチャル)で、「自分がその場にいる」旅行気分を味わえるわけです。
これらのシステムを使い、今、医学的見地から認知症予防との関係を研究する取り組みが始まっています。
これは、例えば、高齢者にとっての「思い出の地」をバーチャルで手軽に訪ねられると、そこから生じる幸福感は、脳機能などに良い影響を与えるのではないか=「認知機能の保持に効果があるのでは」、という仮説を検証するもの。具体的には、前出の合同会社toraruと医療・介護施設を運営する株式会社ナッセ、そして奈良県立医科大学が産学連携をして進めるものです。
研究では、ナッセが運営する介護施設の60歳以上の入居者約400名のなかから希望者にバーチャル旅行体験をしてもらい、その後の認知機能検査などを通じて、認知症予防や症状の抑制という効果を検証していく予定です。本研究とあわせてバーチャル旅行体験のイベントなども開催されます。