ホテル最上階にあるデイ
ホテル品質のもてなしと充実した個別機能訓練【2】
この日は、利用者が帰宅する直前にも特別なサービスが。拝郷さん扮する“コーヒーマスター”がハンドドリップで一杯ずつコーヒーを淹れる人気のもてなしです。香りを嗅ぎながら豆を挽くなど、利用者にも手伝ってもらうことで、五感にうったえる効果もねらっています。
利用者は、目の前で立ち上る香りやコーヒーを淹れる本格的な仕草に刺激され、「香りがいいわ」「挽きたての味よ」などと話しながらコーヒーを楽しんでいました。
デイ終了時には、ホテルの従業員総出での見送りも実施しています。帰りのバスに乗るために1階に利用者が降りると、ホテルの従業員も玄関へ。その際、一人ひとりにきちんと声かけできるよう、従業員室には利用者の顔写真や名前を掲示し、情報を共有する徹底ぶり。「笑顔でお名前をお呼びすることで、もてなしの思いが伝わると考えています。他にはない特別感を味わっていただきたい」と拝郷さんは言います。
この施設では、こうしたもてなしの精神を育むため、デイの職員も定期的にホテルの接客・接遇研修を受けているそうです。「言葉遣いや口角を上げる笑顔の作り方などを基礎から学ぶことで、最上のホスピタリティをめざしています」
リボーン神戸ポートタワーホテルエクセレントデイサービスセンター(兵庫県神戸市)
文╱山辺健史(介護ライター) 写真╱内藤貞保