医療連携での介護職の役割
高齢者に多い病気~高血圧症
どんな病気?
血圧は、1日の中でも時間や気温によって変化するほか、興奮や緊張、ストレスにより上昇します。高血圧は基準値よりも血圧が高い状態が続いていることをいいます。
年とともに血管は老化し、血液の流れも悪くなるため、高齢になるほど高血圧傾向になっていきます。高血圧状態が続くと、血管の老化(動脈硬化)が進み、脳卒中や心筋梗塞が起こるリスクが高くなります。
ココをチェック
介護サービス開始時に必ず血圧を測定し、記録します。血圧が高いほかに特に症状はありませんが、脳卒中や心筋梗塞など命にかかわる病気の引き金になるので注意が必要です。
降圧剤を服用している利用者で、血圧値が不安定な場合は、薬をきちんと服用しているかどうかを確認しましょう。
医療連携のポイント
サービス提供時に血圧が高い(160mmHg/100mmHg以上が目安)ことが、3回以上続く場合は、医療職に高血圧状態が続いていることを、正確な数値とともに報告します。
また、血圧が低い状態(上の血圧が100mmHg以下が目安)が3回以上続く際も同様に報告を。
監修/苛原 実(いらはら みのる)
いらはら診療所院長。医学博士。千葉県内で訪問看護、リハビリテーション、老人ホーム等を展開しながら、訪問診療を続けている。現在、在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワーク会長も務める。『ケアマネ必携! 医療知識ハンドブック─高齢者の病気とくすり』(中央法規出版)など著書多数。
イラスト/ささきともえ