介護の現場Q&A
ボランティアの方にどのように指示出しをすればよいでしょうか。
【Q】ボランティアの皆さんに積極的な指示出しができないのですが、どのようなお願いをすればよいのでしょうか?
施設の運営において、多くのボランティアの皆さんの協力をあおいでいますが、どのように指示を出し、関わっていけばよいのかわからず困っています。
【A】そもそも「何か指示しなければ」という意識で関わるのは間違い!!
ボランティアの皆さんを、施設がしてもらいたいことや、施設のやり方を指示するだけの存在と考えるのは間違いです。それではただの「労働力の提供」になってしまい、本来のボランティアの趣旨とは離れてしまいます。
むしろ、ボランティアの皆さんのことは、「趣味や特技や時間を施設のために提供してくださる、かけがえのない存在」と捉え、敬意を持って接するべきです。だからこそ、業務開始・終了時にはきちんとお礼を伝えるべきですし、言葉遣いに気をつけることも当たり前です。
また、ボランティアの皆さんには、私達が気づかない部分を指摘してくれる「外からの目」のような役割もあります。施設で何気なく行われている行為に対し、「少しおかしいのでは」などと、客観的な視点で気付いたことをあげてもらうのはとても貴重です。現場の職員はそういった声を謙虚に聞き、日々の仕事に積極的に活かしていくことが重要。
ですから、ボランティアの皆さんを、職員と一緒に施設をつくりあげていくよきパートナーとして捉えるべきだと思うのです。
特別養護老人ホーム・レジデンシャル常盤台施設長。看護師、ソーシャルワーカーを経験後、社会福祉士、介護支援専門員の資格を取得。大田区立特別養護老人ホームたまがわ特養第一課課長を経て現職。
取材・文/山辺健史(介護ライター) イラスト/山口まく