介護最新情報
岡山市でスタートした介護予防事業
商品と交換できるポイントがもらえる
岡山県岡山市において、平成26年1月より「介護予防ポイント事業」がスタートしています。これは、市内在住の高齢者が市指定のフィットネスクラブ等で健康づくりを行った場合に、現金の口座振り込みや商品と交換できる「ポイントを付与する」というものです(上の画像が「介護予防ポイント手帳」。ポイントがたまると、現金や商品と交換ができる)。
これまで「ボランティア参加」などにポイントを付与するしくみなどは見られましたが、介護予防への参加に交換価値のあるポイントを付与するという事業は全国初となります。
具体的な対象は、市内在住の高齢者のうち、[1]過去に介護保険の要介護・要支援認定を受けていて、現在は受けていない人、[2]現在認定を受けているが介護保険サービスを利用していない人です。なお、[2]については、利用に際して認定を取り消すことが条件となります。
対象となる希望者は市の社会福祉協議会に申請して、介護予防ポイント手帳の配布を受けます。手帳にポイントが一定数たまったら、活用の旨を申し出たうえで現金の口座振り込みや、商品との交換を受ける流れになります。
一方、フィットネスクラブなどの受け入れ機関からは、毎月アセスメント結果が市社協に報告され、介護予防効果の測定も行われます。
岡山市といえば、国の規制に縛られない総合特区事業(以下、特区事業)に積極的に取り組む自治体の一つです。今回の介護予防ポイント事業も、この特区事業に位置づけられ、高齢者自身が率先して介護予防に取り組むことで健康寿命を延ばすことをねらっています。それにより、高齢化が進むなかでの持続可能な地域社会づくりにも貢献できるわけです。
取材・文/田中 元