介護最新情報
在宅医療と介護の連携強化を目指すシステムが全国拡大
重度の療養が必要な人でも「在宅」で暮らし続けることを可能にするため、国は地域包括ケアシステムの構築を進めています。カギは、在宅における「医療と介護などの多職種連携」をいかに強化するかにあります。
多職種連携では、「顔の見える関係」の中でパートナーシップを築くことが大前提となります。そのうえで、よりリアルタイムに利用者情報の共有を図るべく全国でICT(情報通信技術)を活用したネットワークづくりが進んでいます。
千葉県柏市では、平成24年1月からICTを使った情報共有システムを開発・施行しています。具体的には、医療・介護等の多職種の人が、クラウドによるデータセンターに登録された「利用者の画面データ」にアクセスし、各職種からの情報を書き込みます。
IDとパスワードにより、PCの他、携帯端末からもアクセスが可能です。 情報の内容としては、利用者の身体・認知の機能、家族の情報、バイタルサイン、医療・介護・服薬の状況、といった定型化されたもの。加えて、各職種が気づいた定型化されていない情報も、文字情報や写真情報(現在の褥そうの状態など)で記されます(図)。
各情報については、「特に読んでもらいたい人(職種)」を指定することもできます。これにより、各サービス現場に立ち会っていない人でも、「その時々の利用者状況を把握したうえでの対応が可能になった」などの効果があがっています。
平成27年度からは在宅医療連携拠点事業が全国でスタートしますが、ICTシステムの構築を後押しするべく、国も事業予算の確保を図っています。
取材・文/田中 元