実践レポート
機機能維持に効果のある口腔ケアレポート その2
「洗面所の脇には、当日の利用者の名簿を掲示していますが、これはスタッフが歯みがきが終わった人をチェックするため。こうして全員が歯みがきすることを徹底しています」(久徳さん)
現在、個別指導を行っている利用者は5名(取材当時)。スタッフが口腔内をチェックし、注意が必要な箇所のみがき方を指導、ケアを行います。施設の利用前は口腔内の清潔保持が不十分だった人で、個別的ケアによって口腔内の衛生が改善され、身体機能が向上した人もいるそうです。
例えば、誤嚥性肺炎でたびたび入院していたある利用者は、スポンジブラシでのケアを継続したところ、入院することがなくなったとか。また、同様に誤嚥性肺炎による入院で、体力低下が著しかった利用者は、口腔ケアにより食事量が増え、車いすから自立歩行になりました。
「口腔ケアは続けることが大切。ですから家族の協力も必要です。いかに家族にその重要性を理解してもらえるかがカギ。今後も口腔ケアの効果について情報発信していきたいですね」(久徳さん)
【アドバイス】
■スタッフ自身の勉強も大切。QOLのための口腔ケアを
口腔機能向上サービスをきちんと行っていくためには、まずはスタッフが学ぶことが大切です。当プラザでは、DVDなどを使って、定期的に勉強会を実施。ケアの方法や実施の仕方、口腔機能改善管理指導計画の立て方などを学んでいます。
スタッフが知識を備えると、利用者さんの観察・アセスメントも変わってきます。状態をきちんと把握できれば、的確に口腔機能向上加算を導入できる。個別ケアによって、利用者さんの身体機能の維持・改善を図り、生活の質を向上させることもできます。デイサービスでは利用者さんの生活すべてを見ることはできませんが、少しずつでも生活習慣の改善に結びつけられるケアを提供したいと思います。
~吉岡聖子さん(横浜市福祉サービス協会 横浜市戸部本町地域プラザ所長)
この記事が掲載されている号
レクリエ 2014 5・6月号
58-59ページに掲載ページに掲載
おもなレク
- 5月の壁画 滝を昇るこいのぼり
- 梅雨を感じる季節の制作
- 「動き」に注目したゲームレク
- チャンバラごっこで体を動かそう
- 坂入姉妹の童謡レク
- 新食感!豆腐入り柏餅