心と体を動かす
脳活性化プログラム[2]
■代表的な非薬物療法
・アートセラピー
絵や粘土細工、陶芸などの創作を行う。創作意欲を刺激し、色彩感覚を取り戻し、達成感を味わう。集中力も高まる。コミュニケーションのきっかけにもなる。
・音楽療法
聞き覚えのある曲や歌を聴いたり、歌ったり、楽器を奏でたりする。リズムにあわせて手や足を動かす。音楽に接することで心身をリラックスさせ、活力を養う。手足を動かすことで脳と身体機能を活性化させる。
・園芸療法
季節の草花や野菜などを栽培する。生長した草花や収穫した野菜を用いた、制作活動や料理をする。季節感を感じる。植物を育てる喜び、責任感や使命感を持つ。作業を通して手足や指の機能を回復させる。
・アニマルセラピーセラピー
犬などをなでたり、話しかけたり、散歩などの世話もする。動物との触れ合いを通して使命感や役割感などを引き出し、リハビリにつなげる。また発語の増進、感情の表出、昔の記憶の誘引などもめざす。
・回想法
利用者の昔のアルバムや記録、懐かしい道具などを手がかりに過去を語ってもらう。懐かしさや楽しさなどの感情を刺激する。不安解消や意欲向上にも効果がある。
・森林療法
森林を散策し、自然にふれ、日光や草木が発するフィトンチッド(殺菌力のある揮発性物質)を浴びる。森林を歩くことで季節感を感じ、心身をリフレッシュさせる。身体機能と五感を活性化させる。
・アロマセラピー
花や香草などの香りをかぐ。エッセンシャルオイルを用いてもよい。ストレスを軽減させ、心身の機能を高める。香りによって記憶が刺激され、会話のきっかけができる。リラクゼーション作用も期待できる。
・認知刺激療法
簡単な計算や音読など、読み・書き・計算をする。ドリルなどを用いてもよい。認知症にかかわる脳の前頭前野を刺激する。達成感と意欲の向上をめざす。
・現実見当識訓練
質問を繰り返しながら時間や場所、人間関係など見当識を鍛える。自己規制や自尊心を回復させ、日常生活の中に広げる。
・記憶訓練
単語の記憶や、文章の音読で内容を思い出す。ヒントを与えたり、物語にしたりして想起しやすくする。記憶力を改善し、自立した生活機能を維持する。
・運動療法
ウォーキングやラジオ体操などの有酸素運動を行う。記憶力を改善し、自立した生活機能を維持する。フラストレーションが軽減し、活動性が高まる。問題行動の抑制にも効果がある。
・活動性維持の訓練
関節可動域訓練、筋肉増強訓練、持久力増強訓練、基本動作訓練を行う。筋肉の萎縮、歩く能力の維持。運動機能、心肺機能を改善し、精神活動を活性化させる。
~医療法人社団 翔洋会理事長、辻内科循環器科歯科クリニック院長 辻 正純先生(監修)
この記事が掲載されている号
レクリエ 2013 秋号
57ページに掲載ページに掲載
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