魅力あるデイにするためには―デイサービスで完結させず家庭とつながる介護を[1]
ねこの手 代表取締役 伊藤亜記さん
ケアプランをよく把握する
デイサービスというと、「遊びにいくところ」といったイメージをもっている方が少なくないようです。利用者だけでなく、介護者にもそうとらえている人が多いような気がします。
デイサービスも介護保険が適用されていますから、その趣旨の下で営まれなければなりません。つまり、自立した生活が送れるよう支援するべきなのです。そのための指針がケアマネージャーの作成するケアプランです。ケアプランには、利用者のニーズが記されています。解決すべき問題は何なのか、どのようなリハビリを施し、どういう生活が送れるようになればいいのかの目標が書かれています。
ところが、多くのデイサービスでは、ケアプランが顧みられていないのが現実です。高齢者の中には「デイサービス? あんなお遊戯みたいなことをしたくない」という人たちもいます。逆に「機能訓練はしなくて結構。楽しく過ごせればいい」と本人だけでなく家族の方も娯楽としてとらえるケースもあります。
これは、ひとつには説明の仕方が足りない面もあります。たとえば、脳梗塞で片麻痺に陥り、家に引きこもりがちの方がいるとします。「少しでも外に出て動いたほうがいい。動かないとお腹が減らない。食べる量が減ると口腔機能や運動機能が低下する。やがては寝たきり、認知症の危険もありますよ」と、きちんと説明することでデイサービスの必要性を説くと、うまく伝わるでしょう。
寝たきりになるとはどういうことなのか? その時の本人の負担、家族の介護の負担はどうなっていくのか? 本人も家族も大変さがなかなか想像できないものなのです。
ですから、「今、こんな状態だから運動しなさい」ではなく「こんなふうにならないように運動しましょう」と、先を予測した提案に変えていくといいでしょう。リハビリや機能訓練が義務になってしまうと、やはり億劫に感じてしまいますから。
この記事が掲載されている号
スタート準備号
13ページに掲載ページに掲載
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