リハビリ時代のデイサービス
スポーツジムのような明るい空間【2】
椅子に座って行う体操メニューもしっかりと!
平行棒を使った歩行訓練や、全員で平行棒を囲んで行う運動はいわばメインメニューともいえますが、その前に、じっくり時間をかけて準備運動を行います。
この準備運動の際には、途中から銘々が自分で靴下を脱いで裸足に。準備運動は椅子に座って、演歌、童謡、ポップスなど、馴染みのある音楽に合わせ、理学療法士が考えたストレッチ体操やリズム体操を集団で行います。
「いきなり筋力トレーニングをすると、夜になって足がつったりしやすいので、ストレッチは十分に行います。それに、足の裏を刺激すると体全体が温まるし、足の指の動きがよくなって踏んばれるので、転びにくくなるんです。高齢者は肋間筋が硬くなり、呼吸が浅くなりがちなので、ヨガと同じで呼吸も重視しています。」と田口さん。
また、集団で行うメニューの合間を縫って、PTが個別に日常動作の指導も実施。田口さんは利用者の希望について、こう語ります。
「いちばん多いのは、自宅の浴槽をまたいで自力でお風呂に入りたいという希望です。それから、横須賀は傾斜地が多く、階段がたくさんあるので、特に階段の上り下りがスムーズにできるようになりたいという方が多いですね。他にも、法事や和食店に行ったときに、畳に座る、畳から立ち上がる、掘りごたつから出るといった動作がスムーズにできるようになりたいとか、洗濯ばさみがうまくつまめないので、洗濯物を干せるようになりたいなど、いろいろなニーズがあります」
スペースの一角には、一般住宅の居間と寝室を模した小上がりのようなスペースがあり、布団から起き上がる、洗濯物を干す、衣類をたたんで引き出しにしまうなど、さまざまな日常動作の訓練が行えるようになっています。
この日も、脳卒中の後遺症で片麻痺が残る利用者が、畳から立ち上がる訓練を行っていました。こうした利用者の多様な要望に応えることにより、「個別機能訓練加算Ⅱ」を算定しています。