リハビリ時代のデイサービス
スポーツジムのような明るい空間【1】
カラフルな平行棒は工夫がいっぱいのオリジナル
「はい、では棒を持って片足を前に出し、前の膝を曲げて、足の後ろ側を伸ばしながら10数えましょう」
三方を窓が取り囲む、明るく開放的なスペース。中央にはカラフルな渦巻き型の大きな平行棒が設置されています。ここは午前・午後各3時間のプログラムを用意した、リハビリ特化型の通所介護施設。横須賀市三春町にある「リハビリデイサロン『海』MIHARU」です。
実は渦巻き型の平行棒は、「海」代表の森本靖之さんが考案し、鉄工所に特注したオリジナル。小さな坂を上り下りしたり、障害物を乗り越えたり、大きな歩幅で飛び石を渡ったりしながら、外から内へとぐるぐる回るうちに、往復50mを楽しくトレーニングできるすぐれものです。
「通常の平行棒と違って手すりの高さは固定で、本当は平行でもないんですが、いいネーミングが見つかりません(笑)。中に何人でも入れるので、並んだりすれ違ったりすることでコミュニケーションが生まれ、スタッフも脇でサポートしやすい。中を歩くだけでなく、周りを大勢で囲んで手すり代わりに活用しながら運動したりと、多様な使い方ができます」と森本さん。利用者のやる気と笑顔を引き出すデザインは、「海」MIHARUの楽しい雰囲気を象徴しているようです。
運営会社は、横須賀市を中心に6店舗の保険調剤薬局を経営する珊瑚薬局グループ。市内でもう1か所、デイサービスを運営中で、「海」MIHARUは2号店です。森本さんは、通所介護事業を始めた経緯をこう振り返ります。
「私は以前、6年ほど介護老人保健施設の相談員をしていましたが、そのとき老健のリハビリに限界を感じ、もっとリハビリ専門の指導者が常駐し、しっかり全員をサポートできるデイサービスがあれば、必ず需要があると思ったんです」