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レクを通じて「やりたいこと」を引き出す

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レクリエーションでの人とのふれあいが自分らしい生活を築くきっかけに
そもそもレクリエーションという言葉・概念は、「re:再び・新たに」と「creation:創造・創作」の2つの単語を繋いだもので、「新たな創造のための活動」を意味します。

この意味で、高齢者介護分野でのレクリエーションとは、要介護状態に陥ったり、加齢によって心身の機能が衰えたり、社会関係を失ったりした利用者が、何らかの心身の活動を通じて、今後の暮らしにあたっての新たな価値を創造するための手段だと言えます。

私がケアマネジャーをしていた当時の利用者を例に説明してみます。

ある利用者は、レクリエーションや介護職員とのコミュニケーションを通じて、かつて自分が旅行好きだったことを思い出し、現状の車いすでの介助による移動ではなく、自分で歩いて近場の温泉くらいには行きたい(ボランティアの支援を得てであっても)と思うようになりました。

また別の利用者は、現状ではベッド上の半座位しかとれないものの、レクリエーションを通じて、かつての自分は音楽が好きであったことを思い出し、いつかはコンサートホールの座席で生のクラッシック音楽を聴こうと思い立ち、端座位の訓練に取り組みました(ホールまでの移動は車いすを利用して家族の介助があっても)。

この二つの例のきっかけがレクリエーションだったとすれば、まさにそれは「新たな創造のための活動」といえるのではないでしょうか。

高齢者が「自立しよう」と思うためには、加齢によって変化してきた自分の暮らしのなかから新たな人生の価値を見い出すことが必要です。

それには、レクリエーションによる社会との関係の再構築、生活意欲の回復、他者と交流して互いを認め合う関係づくりが最も重要だと言えます。

執筆・監修/高野龍昭 東洋大学ライフデザイン学部准教授。社会福祉士、介護支援専門員。在宅介護支援センターのソーシャルワーカーや、居宅介護支援事業所でケアマネジャーとして活躍後、現職。『これならわかる〈スッキリ図解〉介護保険 第2 版(2015 年版)』(翔泳社)ほか著書多数。 イラスト/かまたいくよ
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レクリエ 2017 3・4月号

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56ページに掲載

おもなレク
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