介護保険改正でどうなる?
今後は中重度者への対応が課題に
介護保険制度での「自立支援」については、これまでは軽度者(要支援2ないしは要介護2程度まで)をターゲットとしてきました。しかし、今後は中重度者(要介護3~5)にもそうした取り組みを進めていく必要性があると議論されています。ここにはレクリエーションの課題も見え隠れしています。
これまで高齢者のレクリエーションといえば、軽度者を主な対象としてきた感は否めません。今後はそこに留まらず、中重度の認知症高齢者にも生活の活性化を促すようなレクリエーションのノウハウを習得し、自助的自立に資するように機能訓練と連携することも必要でしょう。
さらには、心身の機能面のみならず、生活の目標を自分で感じ取ってもらい、適切な援助者やサービス等を受けつつ、自分の価値観や過去に担ってきた役割にふさわしい生活を送れるような自立(依存的自立)を実現するようなレクリエーションの運営も必要です。
そのためには、入所施設であれば居室を訪問して、通所サービスであれば個別に、アクティビティ性を高め、利用者に「楽しいな」「懐かしいな」「ワクワクするな」と感じてもらえるような取り組みが不可欠です。
執筆・監修/高野龍昭
東洋大学ライフデザイン学部准教授。社会福祉士、介護支援専門員。在宅介護支援センターのソーシャルワーカーや、居宅介護支援事業所でケアマネジャーとして活躍後、現職。『これならわかる〈スッキリ図解〉介護保険 第2 版(2015 年版)』(翔泳社)ほか著書多数。
イラスト/かまたいくよ