介護保険改正でどうなる?
機能訓練の動機づけとして必要なレク
レクリエーションは心身の機能向上に直接的・間接的に好影響を与える
近年の介護保険制度では、「要介護度の維持・改善」「(自助的)自立」が求められていることは確かです。
その結果、多くの介護サービスで機能訓練が重視されるようになり、家事(生活援助)や趣味活動、コミュニケーション(交流)支援などが軽視されているように感じられることが多くなりました。
こうしたことから、通所介護や入所施設等の介護職員に「今後、レクリエーションは必要とされなくなるのではないか」「レクリエーションよりも機能訓練について勉強したほうがよいのだろうか」といった不安や戸惑いが拡がっているようです。
しかし、結論から言えば、そうした不安感・戸惑いは杞憂(きゆう)であり、無用な心配だといえます。なぜなら、レクリエーションはADLや認知機能など心身の機能の向上に直接的にも間接的に効果をもたらすものですし、決して楽しいものではない機能訓練の「動機づけ」として、高齢者には欠かせないものであるからです。
多くの文献・研究によると、高齢者にとってのレクリエーションの意義は[1]身体機能の維持と向上、[2]認知機能の刺激、[3]コミュニケーション・趣味の創出の3点に集約されます。
日常的なレクリエーションで楽しい身体活動を行うことによって[1]「身体機能の維持と向上」が図られ、機能訓練とは違った効果をもたらすことでしょう。その結果、[2]「認知機能の刺激となり、認知症の進行を遅らせると期待されています。
そして、こうした機会をもつことで、孤立しがちな高齢者が人間関係を取り戻し、かつて楽しんでいた、あるいは新しい趣味活動に取り組むことにより[3]「コミュニケーション・趣味の創出」がもたらされます。