転倒防止レク
歩行能力の改善に必要な4つのポイント
歩行能力の改善には様々なポイントがありますが、転倒を予防することを中心にした4つのポイントと、座位の場合のトレーニング法をご紹介します。
1 姿勢を正す
歩行では、できるだけ姿勢をまっすぐにすることが最も重要です。姿勢が保てない状態では、下肢を交互に振り出すことが困難になり、下肢が上げにくく、つまずきやすくなります。もし、円背(えんぱい)の状態で座位のトレーニングを行う場合は、背もたれと腰の部分に隙間がないようにクッション等を入れて腰を支えるようにする(上図:右)と、姿勢が改善する可能性が高くなります。
2 片足支持ができる
歩行では下肢の振り出しばかりが注目されがちですが、下肢を振り出すためにはその反対側の下肢で体が支えられ、バランスが取れていることが大切です。トレーニングでは、両足を床につけ、体を左右に動かすことで重心移動の練習ができます。両下肢の間隔が狭いほど、重心移動は難しくなります。
3 スピードコントロール
人は、様々な筋肉の働きによって歩行のスピードをコントロールしています。特に鍛えたいのは、歩行中のひざ折れを防止する働きと振り出したあとに減速する働きです。これができないと、歩行中に疲労が大きくなるばかりでなく、バランスも崩しやすくなります。トレーニングでは、ももの上げ下ろしや、ひざの伸ばし下ろしをゆっくりと行います。
4 つまずき防止
高齢者は、足先が上がらないためにつまずいてしまうことがよくあります。足首を上げる筋肉が働かないと、このようなことが起きやすくなります。トレーニングでは、足先を上げる運動が効果的です。ただし、足先が上がらない原因として、ふくらはぎの筋肉が固くなっていることも多いので、アキレス腱を伸ばすような運動を先に行っておくとよいでしょう。