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「見方を変える」とは?

「見方を変える」とは?

介護のコミュニケーションとは?
介護者と利用者のコミュニケーションはただ会話をすることではなく、利用者の気持ちや体調を知る大切な機会。利用者は、認知症などの疾患や加齢により、気力や体力が衰え、物ごとに否定的だったり、活動に消極的だったりすることがあります。そんな利用者の気持ちを変化させ、やる気を引き出すのが介護の現場で求められるコミュニケーションです。そのために「見方を変える」という技術が必要になります。

利用者の「NO」はコミュニケーションのチャンス
例えば、利用者に入浴やレクリエーションの参加を断られた時、あの手この手で誘ったり、気分を変えようとしたりすることは、誰しも経験があることでしょう。あるいは、「何がいけなかったのか?」と自分の言動を振り返り、原因を見つけようとすることもあるでしょう。

けれども、「なぜ?」「どうして?」と表面的な原因を考えても、なかなか答えは見えてきません。実は、「見方を変える」とその利用者の「NO」にこそ、コミュニケーションの鍵が隠されていることがわかります。利用者の発する「NO」には、さまざまな思いがあります。その「NO」の種類や真意を見極め、それによって対応や言葉かけを変えることで「NO」が「拒否」ではなくなることもあります。

また、「NO」のなかに利用者の本当の気持ちが隠れていることもあり、利用者の本音に近づけるチャンスでもあるのです。

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何をするのかを決めるのは利用者
介護の現場では「お風呂の順番ですよ。一緒に行きましょう」などと、利用者を誘うことは日常的にあることです。けれども「お風呂に入る」ということは、介護側が決めたことであって、利用者の『選択と自己決定』が行われていません。今、入浴したくない利用者からすれば、「なぜ今、風呂に入らなければいけないんだ?」「都合を押しつけるな」と思うわけです。何度も声をかけられれば、怒りだすこともあるでしょうし、黙って動かなくなることもあるでしょう。

日常の流れのなかでは、つい見過ごされがちですが、見方を変えれば決定権は利用者にあるということに気づけるはずです。

監修/吉田輝美 博士(社会福祉学)。昭和女子大学人間社会学部福祉社会学科准教授。大学卒業後、老人ホームに介護職員や生活相談員として勤務する。介護従事者のストレスマネジメントやコミュニケーショントレーニングを研究し展開している。著書に『現場で使えるコミュニケーションのコツ』(技術評論社)など多数。 イラスト/さいとうかこみ
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レクリエ 2017 1・2月号

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52ページに掲載

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