認知症の人のための個別対応レク
レクはポジティブな感情を引き出し、選択肢をつくるチャンス
認知症とひとことで言っても、できること、できないことは人によって様々です。それぞれに合わせた支援をすることで、認知症の人がより楽しく安全にレクに参加することを可能にするのが個別対応です。大勢の利用者がいて、職員の数も限られているなかでは難しいと思われがちですが、工夫次第で個別対応をすることも可能です。
例えば、集団で行いながらも個人のペースが守られるレクや、グループで協力しながら行うレクなどは、介護者の人数が少なくても個別対応がしやすくなります。
レクは、できることが限られていく認知症の人を、ポジティブな気持ちにさせる時間でもあります。また、日常生活で選択する機会が少なくなってきた人に選択肢をつくるチャンスです。自分で動作が行えなくても、ボールを投げる方向などを選んでもらうことで、自発的な意識を引き出します。
それぞれの人の特性を知り、その人に合った支援をすることで、より充実したレクの時間にしましょう。
監修/尾渡順子
社会福祉法人 興寿会 教育実践研修センター、認知症介護レクリエーション実践研究センター所長代理。介護現場での実践者として日本各地でレク研修を行っている。
監修/丸尾とし子
NPO法人 播磨オレンジパートナー代表
撮影協力/社会福祉法人 興寿会、鈴乃会 撮影/伏見早織(本社写真部)