冬の感染症対策
インフルエンザとノロウイルス
■インフルエンザ
第一の予防はウイルスを持ち込まないこと
インフルエンザの代表的な感染ルートは、「飛沫感染」。感染者の咳やくしゃみ、会話で口から飛ぶ飛沫を吸い込んだり、浴びたりすることで感染します。手洗い、うがい、マスクの着用の基本的予防を施設内でしっかり実践し、ウイルスを持ち込まないようにしましょう。また、インフルエンザの予防接種は接種後、体内で免疫がつくられるまで2〜4週間かかります。流行が本格化する前の11月中には接種をしておきたいものです。
感染を拡(ひろ)げないためには加湿と換気が大切
密閉され乾燥した場所ほど、インフルエンザのウイルスは拡大します。こまめな換気と、加湿を心掛けましょう。
喉や鼻の粘膜は、乾燥するとウイルスの侵入を防ぐ機能が低下します。空気が乾燥する冬は、加湿で粘膜を潤すことが大切です。加湿器を使うなどして、室内の湿度を50〜60%に保つようにしましょう。
個室などではマグカップや小さなバケツにペーパータオルやキッチンペーパーを差し入れて水を注ぎ、ペーパーから自然蒸発させる簡易加湿器を活用してもよいでしょう。
■ノロウイルス
初動が肝心!日頃から対策と準備を
急性胃腸炎を引き起こすノロウイルス。感染ルートは、病原体に汚染された食べ物などから感染する「経口感染」がほとんど。しかし、施設内では汚染されている食べ物より、手を介して人から人へと感染することが多いため、施設へのウイルス侵入を防ぐには、何よりも手洗いが重要です。
なお、ノロウイルスは感染力が強いため、もしも感染した場合は拡げないよう、早い段階での適切な対処が求められます。嘔吐や下痢などの症状があればノロウイルスを疑い、マニュアル通りに嘔吐物や便の処理を行うようにしましょう。