「年間10万人を超える介護離職をいかに防ぐか」が国をあげた課題となるなか、家族介護者を支えるしくみが急務となっています。東京都小金井市にあるＮＰＯ法人「ＵＰＴＲＥＥ（アップツリー）」も、家族介護者の居場所づくりなどの支援を手がけています。その介護者支援の実績を活かし、同法人が作成したのが「介護者手帳」です。

介護者が日頃の介護の様子を記録することに特化した専門手帳は業界初。昨年12月から試験版を一部希望者に配布し、今年6月から正式版をリリース。電子書籍の販売もはじまりました。

A5判サイズのこの手帳、最大の特徴は、家族それぞれの「できることリスト」を作ったり、介護した内容を記すことで、介護者をとりまく状況が可視化できるようになっていることです。これにより、介護者自身が自分の立ち位置を見失って大きな負担を抱え込むことを防ごうというわけです。

巻末には、介護の基本知識・注意点から、介護費用、消費者トラブル、成年後見制度、看取り、葬儀・埋葬まで時系列に沿って情報がわかりやすくコンパクトに掲載されています。介護するなかで困ったり、迷ったりしたとき、この手帳がよきパートナーとなってくれます。