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介助・ケア

“理由を探る”レッスン

認知症利用者の気持ちを自分のことに置き換えて考える

認知症利用者の気持ちを自分のことに置き換えて考える

一つひとつの場面を別個のものとしてとらえる
もう一つ、理由を考える時に大切なのは、一つひとつの場面をひとくくりにせず、別々の場面としてとらえることです。

「いつも帰宅願望がある」とされる利用者でも、施設にいるあいだじゅう「帰りたい」と言い続けている人は少ないでしょう。1日のうちどのタイミングで「帰りたい」という訴えがあるのか観察することが大切です。時間帯や場所などによって、理由はまったく異なるかもしれないからです。

午前中は「出かける時に戸締まりをしたか不安だから」、夕方は「疲れたから」帰りたいのかもしれません。この二つの「帰りたい」を「同じ場面」ととらえると、理由を探るのは困難になります。つねに「異なる場面」ととらえ、その時その時の「まえ」を探ることが大切なのです。

これを自分のことに置き換えて考えてみるとどうでしょう。例えば、あなたが職場から「今日は早く帰りたい」と思う時、それはいつも同じ理由ですか?「仕事でいやなことがあったから」「食事の約束があるから」「家族が病気だから」など、その時その時で「帰りたい」と思うに至った「まえ」の出来事は違うはずです。言動の「まえ」の出来事を、自分のことに置き換えて考えてみましょう。

裵鎬洙(ペ・ホス) 介護福祉士、介護支援相談員、主任介護支援専門員。認知症ケアの観点を増やし、コミュニケーションセンスを磨く研修を提供している。研修オフィス・アプロクリエイト代表、医療法人社団菫会名谷病院在宅支援事業部主任相談員、コミュニケーショントレーニングネットワーク講師を務める。著書に『“理由を探る”認知症ケア―関わり方が180度変わる本』(メディカル・パブリケーションズ、2014年)がある。 イラスト/尾代ゆうこ
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この記事が掲載されている号

レクリエ 2016 7・8月号

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58ページに掲載

おもなレク
  • みんなで作る壁画「あさがおの垣根」
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  • 体を動かす脳トレレクリエーション
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