一緒に考えよう!これからの介護
個別機能訓練の仕組みとモニタリング
実施にあたり機能訓練指導員(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師など)が個別機能訓練計画書を作成します。その際、事前に利用者の自宅を訪問し、アセスメントを行い、在宅での生活状況を反映させた訓練内容を計画に盛り込みます。
そして、3か月ごとに自宅を訪問し、目標が達成されているかモニタリングを行い、検討が必要な課題については見直します。
これまでデイサービスの介護職員が利用者の自宅での生活を観察することはあまりありませんでしたが、今後は利用者の自宅での生活状況を意識したサービス提供が求められてくるでしょう。
介護職員は、日頃のケアを通して、利用者の身体機能から日常生活でできなくなっていることをモニタリングすることが重要です。そして、ケアマネジャーや看護師、理学療法士など、他職種の人と連携をとり、利用者のADL(食事、移動、排泄などの日常生活動作)や、IDAL(掃除や洗濯などの家事、電話をかけるなどの手段的日常生活動作)の維持につなげましょう。
監修/梅沢佳裕
地域包括ケアでの個別機能訓練は身体機能の向上だけでなく生活機能の維持・向上を目指している日頃から利用者をモニタリングし専門職の立場から助言、サポートを一般社団法人 福祉と介護研究所 代表理事。社会福祉士、介護支援専門員。介護専門学校の助教員を経て、特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター相談員を歴任し、デイサービスやグループホームの立ち上げをプロデュースする。介護職・相談員等の研修のほか、医療保健福祉関係者が集う「地域包括ケア推進全国サミット」を今年度から開催。
イラスト/市川彰子