『寄合い所』をめざして
認知症カフェを併設したデイ~誰もが訪れやすく
「併設させているもうひとつの理由として、高齢者の福祉施設としてだけでなく、地元の人たちが気軽に集える寄合い所にしたいという思いがあります」(丸山さん)
カフェコーナーは月1回の認知症カフェの日だけでなく、通所介護中は常に開放されていて、タガヤセ大蔵デイの大きな特色になっています。
壁を抜いて広々とした空間は開放的で、カフェコーナーとデイサービスは入り口は別々ですが、室内は施設の利用者とカフェを訪れた地域の人たちが同じ空間を共有できるように工夫されています。
介護保険の制度上、原則として、介護施設を一般の人が利用することはできません。そのため、デイサービスとカフェコーナーは壁で仕切り、独立させなければいけないとされています。
「タガヤセ大蔵デイでは、施設を訪れる一般の人は来客ではなく、ボランティアという考え方なんです。ボランティアであれば、制度上も施設へ入ることが認められています。ボランティアの人がデイサービスの利用者に話しかけ、交流が持てれば、利用者の社会性の維持や認知機能の向上につながるのではないかと考えました」(安藤さん)
スペースの問題も、可動式のパーテーションを設けることで区からの承認を得られました。制度を柔軟に活用することで、地域に開かれた公共空間が誕生したのです。
建物には入り口が2 か所。右写真はデイサービス利用者の入り口、下は建物裏側のカフェスペースの入り口になっています。タガヤセカフェの日は、手作りチラシやメッセージで立ち寄りやすい雰囲気です。