介護最新情報
「救急医療情報キット」を冷蔵庫に設置
全国的に高齢者の独り暮らしが増える中、各地で「救急医療情報キット」の設置が進んでいます。これは筒型の容器の中に、本人の医療情報や緊急連絡先などの情報を記したシートを入れ、冷蔵庫に保管するものです。
たとえば、本人が自宅で意識不明などによって救急搬送される場合、救急隊員がこのキット内の情報を見ることで対処しやすくなるわけです。
たとえば、佐賀県伊万里市の栄町では、NPO法人「栄町地域づくり会」が中心となり、平成24年度から「救急医療情報キット」の設置に取り組んできました(独居の70歳以上36世帯に配布)。そして、平成27年10月からはキット内の情報シートを見直し、独自に「栄町医療介護カルテ」を開発しています。
これまでの患者情報や(親族等の)緊急連絡先、かかりつけ医の連絡先などのほか、ケアマネジャーや介護サービス事業者、民生委員や福祉活動委員の連絡先を記入する欄を設けています。医療と介護の連携がますます重視される中で、時代にあった情報の拡充が図られたことになります。
伊万里市の栄町は市内でもっとも早い四十数年前に団地が形成され、住民の急速な高齢化が進んでいます。そうした中、平成24年12月に「NPO栄町地域づくり会」が誕生しました。地域福祉サービスの向上を目指しつつ、「支えあい」がキーワードのまちづくり推進と保健・医療・福祉の増進を図ることを目的とした住民組織です。
今回の医療介護カルテの開発も同会の活動の一環で、現在は実証事業として75歳以上の独居世帯27ヶ所に配布し、その効果の検証が行われています。